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2019 年度 実施状況報告書

膜結合型インターロイキン12(IL-12)による抗腫瘍免疫増強作用

研究課題

研究課題/領域番号 18K07163
研究機関山形大学

研究代表者

浅尾 裕信  山形大学, 医学部, 教授 (80250744)

研究分担者 奈良 英利  石巻専修大学, 理工学部, 准教授 (00375338)
武田 裕司  山形大学, 医学部, 准教授 (90302299)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードIL-12 / ADAM17
研究実績の概要

IL-12は2つの異なるサブユニットp35、p40から構成されるが、分泌型の他、膜結合型が存在する。さらに、p35はIL-6とp40はIL-6受容体と相同性があることが知られている。
IL-6受容体はA disintegrin and metalloproteinase domain-containing protein(ADAM)と呼ばれる蛋白質分解酵素(シェダーゼ)により切断され分泌型となることから、私達はIL-12p40もIL-6受容体と同様にADAM等のシェダーゼにより膜結合型から分泌型へ分泌制御される可能性を検討した。
LPSで活性化したマウス骨髄由来樹状細胞(BMDC)にADAM17阻害薬を加えたところ、濃度依存的にIL-12p40やIL-12p70の分泌が抑制された。また、ADAM17遺伝子欠損RAW264.7マクロファージ株を樹立し、その細胞株からのIL-12p40の分泌が抑制されることを確認した。
IL-12p40には膜貫通領域が無いが、ADAM17が直接IL-12p40を切断するのかどうかを確認するために次の実験を行った。IL-12p40のC末端にADAM17切断部位を含まないIL-6受容体膜貫通部位を導入し、膜結合型IL-12p40を発現させた結果、この分子は全く分泌されなかった。したがってADAM17はIL-12p40を直接切断するのではなく、ADAM17が切断する他の分子と会合しているのではないかと予想した。そこでIL-12p40の会合分子を質量分析装置で調べているが、これまで明らかな会合分子は検出されていない。
ADAM17遺伝子欠損細胞では、IL-12p40の産生自体が抑制される結果も得ている。IL-12p40のmRNAの変化は認められないことから、ADAM17がなぜIL-12p40の産生に影響を与えるのかその分子機構を含め解析を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ADAM17のシェダーゼとしての機能に着目して研究を進めて来たが、その他の機能についても解析範囲を広げる必要が生じたため、やや遅れていると考える。

今後の研究の推進方策

IL-12p40の会合分子について、引き続き質量分析装置で調べて行く。
ADAM17遺伝子欠損細胞株と野生株での違いを、mRNAレベルと蛋白レベルで調べることで、IL-12p40産生低下をもたらすADAM17の新たな機能を発見したい。

次年度使用額が生じた理由

実験の進捗がやや遅れ、使用する試薬や動物の量が少なかったために次年度への繰越額があった。次年度で研究用試薬や動物購入に使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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