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2020 年度 実績報告書

自然リンパ球および上皮内リンパ球の分化と機能の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 18K07170
研究機関信州大学

研究代表者

瀧 伸介  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (50262027)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード自然リンパ球 / ホメオスタシス / 腸管免疫系
研究実績の概要

腸管のILCのホメオスタシスの制御機構の検討を行った。腸管ILC(NK細胞、ILC1、2およびILC3)は獲得免疫細胞(TおよびB細胞)が存在しないマウス(RAG1KOマウス)では、populationサイズ(臓器当たりの細胞数)が大きくなり、ILC1やILC3についてはDNA合成頻度で見たsteady stateの増殖が亢進している。本研究を通じて、野生型マウスとRAG1KOマウスのparabiosisや、野生型マウスのCD4+ T細胞の移入によって、ILCを減少させることが出来ること、すなわち、ILCとT細胞は腸管においてそのnicheを共有しており、増殖に関して競合状態にあることを明らかにできた。ただ、そのメカニズムについては十分に理解することが出来なかった。
最終年度には、Th17やILC3を欠損するRORgt欠損マウスで、ILC2が、RAG1欠損マウスにおけると同様に増加していることを見出した。しかしながら、RAG1KOマウスとRAG1xRORgt二重欠損マウスでILC1やILC2の有意な増加が見られないことから、この原因がILC3の欠損である可能性は低い。また、RORgt欠損CD4+T細胞をtransferすると、RAG1KOマウスにおけるILC2の数を減少させられることから、T細胞におけるRORgtの働きは、ILCのホメオスタシスには無関係であることが示唆された。一方、RORgt欠損マウスは小腸においてB細胞を欠損しているだけでなく、RORgtxRAG1二重欠損マウスでは、parabiosis状態でも腸管にB細胞が定着できないことを示唆する観察を行っており、ILC3の一種であるlymphoid tissue inducer (LTi) の不在が、B細胞の流入を許さないことが考えられるが、このこととILC2のホメオスタシス の関係は、今後の課題として残った。

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公開日: 2021-12-27  

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