私たちの身体を感染症などから守るT細胞の機能にはイオンが必要である。本研究では、胸腺の未熟T細胞で高発現する2価陽イオンチャネルTRPM7に注目し、その機能を明らかにすることを目指した。リンパ球特異的なTRPM7欠損マウスを解析した結果、TRPM7は未熟なT細胞の増殖と生存に必須であることが明らかになった。さらに、網羅的な遺伝子発現解析の結果、betaセレクション後に発現が上昇する遺伝子の発現が低下していた。このうち、新規RNA結合分子は未熟T細胞でのみ発現していることを見出した。さらに、この分子のT細胞分化における役割を解析するために、ノックアウトマウスの樹立に成功した。
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