研究課題
老化に伴うアポトーシス細胞に対するマクロファージの貪食能の低下がマクロファージそのものの細胞老化に原因があるのか、または老化に伴ってマウス個体内の生体内環境の変化(個体老化)に原因があるのかを調べるため、若年マクロファージの老化マウスへ移植実験を行った。以前の条件検討から、レシピエントマウスとしては、老化マウスをクロドロネート処理して4日後のマウスを、ドナーマクロファージとしては、若年マウスの腹腔内洗浄液から調製した常在性マクロファージを用いた。若年マクロファージとともにアポトーシス細胞をレシピエントマウスに移植し、その後の炎症応答を観察したところ、若年マウスにアポトーシス細胞を移植したときと同様の結果が観察された。この結果は、老化に伴うマクロファージの貪食能低下が個体老化とは関係ない推察と一致していることが分かった。さらにこれを検証するために老化マウスに老化マクロファージを移植する実験を行い、やはり老化に伴うマクロファージの貪食能低下には個体老化は影響を与えないことが裏付けられた。
すべて 2021
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iScience
巻: 24 ページ: 103201
10.1016/ j.isci.2021.103201