本研究は、舌下免疫療法の奏功機序の解明において抗原特異的ヘルパーT細胞上に発現するに苦味受容体(TAS2R)が重要な働きをすることを突き止めた。舌下免疫療法の効果が認められた患者の末梢血におけるCD4+T細胞上に発現するTAS2Rは、TAS2R43が優位に発現していることを認めた。さらに初年度に効果が認められなかった患者において治療を継続して観察すると、2年後ならびに3年後にTAS2R43の発現が年々増加していることが認められた。これらの知見は今後のスギ花粉症における病態把握や効果的な治療法の開発などに大きく役立つ結果であると考えられた。
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