研究課題
本研究ではTumor Associated Macrophage(TAM)分化を制御している転写因子の制御ネットワークを同定することを目的としている。まず、正常細胞の血球系細胞分化系譜をモデルとして、遺伝子発現プロファイルから細胞分化のプロセスが進んでいく際の転写制御ネットワークの構造変化を明らかにすることができた。その結果、細胞の多分化能が喪失されるに従い、転写因子間の双方向性の制御が減少し、ごく少数の転写因子によって多くの転写因子が一方向性に制御されることを示すことができた。その際、多くの遺伝子を制御化に置く限られた転写因子は、血球系細胞の分化に重要な役割を果たすマスターレギュレーターであることがすでに報告されている転写因子を一致していた。転写因子間の双方向性の制御が減少するという細胞分化プロセスにおける転写制御ネットワークの構造変化は、TAMの誘導の際にも観察されるのか調べるため、正常マクロファージとTAMの遺伝子発現プロファイルを比較し、TAMの分化を制御する転写制御ネットワークを同定した。その構造を解析した結果、TAM分化を制御している転写制御ネットワークでは転写因子間の双方向性の制御が正常に比べて増加していることが解った。この結果はTAMの誘導に伴い、転写制御ネットワークはより未分化な細胞の状態へ変化していることを示唆している。
すべて 2020
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Proceedings of 2020 24th International Conference on Circuits, Systems, Communications and Computers (CSCC)
巻: 1 ページ: 96-105
10.1109/CSCC49995.2020.0025