母斑基底細胞癌症候群 (NBCCS) はGorlin症候群とも呼ばれ、基底細胞癌、髄芽腫などの好発を特徴とする常染色体顕性の遺伝子疾患である。本研究では遺伝子編集により、NBCCSの原因遺伝子であるPTCH1両アレルに変異を有するiPS細胞を樹立し腫瘍形成能を解析した。変異iPS細胞は細胞増殖に働くシグナル伝達系が親株に比べて亢進していた。変異iPS細胞を免疫不全マウスの皮下に移植して形成されたテラトーマはそのほとんどが未分化な神経外胚葉細胞からなっており、髄芽腫マーカーを発現を広く発現していた。髄芽腫様組織を示す面積は親株のそれに比べて有意に広く、髄芽腫モデルとして有用であると考えられた。
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