研究課題/領域番号 |
18K07207
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
折茂 彰 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70275866)
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研究分担者 |
ワリ ナディラ 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90751868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | CAFs / 癌微小環境 / endogln / TGF-bシグナル |
研究実績の概要 |
申請者は、CAFsが癌細胞との継続的な接触無しに、TGF-bとSDF-1のオートクラインシグナルや癌促進能を維持していることを見出している。本研究では、TGF-b受容体結合蛋白endoglinが、CAFsのTGF-bやSDF-1オートクラインシグナルの活性化およびその維持を媒介している可能性を調査した。 申請者らは、CAFsにendoglin-shRNAを導入後、リン酸化Smad2/3やTGF-b,SDF-1,a-SMAの発現をimmunoblotやreal-time PCRで調査した。結果として、shRNAbによるendoglinの発現抑制は、CAFsにおけるリン酸化Smad2/3やTGF-b,SDF-1,a-SMAの発現を有意に抑制した。 さらにCAFsの癌促進能が、endoglnの発現により媒介されている可能性を検討するために、複数の乳癌細胞とendoglin-shRNAを導入されたCAFsの免疫不全マウスへの共移植モデルを準備中である。 癌微小環境の重要性は認知されているが、癌微小環境で発現している因子で、臨床でルーチンに使用可能な患者の予後予測マーカ―となりえるような候補は知られていない。本研究では、CAFsにおけるendoglinの発現が、患者の予後予測マーカ―になるか否かを検討する。乳癌患者標本をendoglin 抗体で免疫染色を施行し、予後との相関を調査中である(文科省科学研究費助成事業・新学術領域研究・学術研究支援基盤形成・コホート・生体試料支援プラットフォーム)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で記載したように、申請者らは、CAFsにendoglin-shRNAを導入後、リン酸化Smad2/3やTGF-b,SDF-1,a-SMAの発現をimmunoblotやreal-time PCRで調査した。結果として、shRNAによるendoglinの発現抑制は、CAFsにおけるリン酸化Smad2/3やTGF-b,SDF-1,a-SMAの発現を有意に抑制した。この結果は、CAFsにおける活性化線維芽細胞能をendoglinが媒介することを示唆した。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で記載したように、 さらにCAFsの癌促進能が、endoglnの発現により媒介されている可能性を検討するために、複数の乳癌細胞とendoglin-shRNAを導入されたCAfsの免疫不全マウスへの共移植モデルを準備中である。また、ヒト乳癌間質におけるendoglnの予後予測バイオマーカ― の役割も検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウスを使用する実験が本年度に施行されなかったため、次年度使用額と生じた。
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