癌細胞の脱分化による悪性化を防ぐため、細胞分化に重要と考えられるTCA回路酵素のひとつであるイソクエン酸脱水素酵素(IDH)の賦活化による癌進展抑制手法を検討した。本研究では、TGFβシグナルやソニックヘッジホッグシグナル、HDAC活性化などの脱分化シグナルにより、IDH発現が遺伝子レベルで抑制されることを明らかにするとともに、IDH強制発現が癌細胞の悪性化要因の一つである低酸素応答の抑制に有効であることが示された。また3種類のIDHサブタイプにより癌抑制効果に違いがみられ、癌細胞における多様な働きが示唆された。
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