ヒト大腸がんオルガノイドをマウス大腸に同所移植し、原発巣腫瘍の形成と転移巣形成に至るモデルマウス実験系を構築した。同一患者由来の原発巣と肝転移巣からのオルガノイドを免疫不全(NSG)マウスの直腸粘膜下に同所移植したところ、オルガノイドの肝再発巣由来と原発巣由来によって転移巣形成能に違いがあり、RNA発現解析からは、転移巣の構成細胞の階層性に変化を生じていることが示された。組織学的には、組織像と転移に関係するEMTマーカー発現の特徴を明らかにした。さらに、転移過程の中間段階の播種腫瘍細胞(DTC)の特性を知る上で画期的なDTC由来のオルガノイドの樹立に成功し、転移プロセスの詳細な解析を行った。
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