本研究課題は、がん細胞が抗がん剤に対する抵抗性を獲得する分子機構を明らかにすることを目的とする。がん細胞は代謝プログラムを変化させることにより、限られた栄養素を効率的に利用し、タンパク質や脂質・核酸といった娘細胞に必要な構成因子を盛んに合成している。特にタンパク質合成はがん細胞において恒常的に活性化している。本研究課題では、タンパク質合成という細胞にとって普遍的な機構が抗がん剤への抵抗性獲得に重要であることを明らかにした。更に明らかにされた耐性獲得メカニズムを標的にすることにより、現在臨床開発が進められている抗がん剤の抗腫瘍効果を増大させることに成功した。
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