我々は、がん抑制遺伝子NDRG2がPP2Aと複合体を形成し、様々な因子を脱リン酸化調節することによって情報伝達系を負に制御することを突き止めた。NDRG2は多くの腫瘍で発現低下し、情報伝達系の異常亢進およびがんの発症進展への関与していた。NDRG2/PP2A複合体の網羅的な基質同定を行い、PRMT5を同定した。NDRG2発現低下がん細胞ではPRMT5は高リン酸化が維持され、正常細胞とは異なる局在とアルギニンメチル化標的タンパク質群を新たに見いだした。そこで本研究はNDRG2発現低下に伴うPRMT5異常活性が惹起するアルギニンメチル化異常を網羅的に解析し、腫瘍発生機構の解明を目的とする。
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