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2019 年度 実施状況報告書

癌抑制遺伝子BAP1、DSB応答の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K07248
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

西川 裕之  聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 研究技術員 (90387077)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード脱ユビキチン化 / DNA修復
研究実績の概要

当初計画に従って実験を行った。LC-MSを用いたDSBモデル培養細胞を用いてBAP1に対する相互作用因子の同定を試みた。
当初予定では、LC-MSを用いた実験系を予定していたが、昨年度の結果から別方法での検討も行った。
免疫沈降-液体クロマトグラフィ-タンデムマススペクトロメトリー (IP-LC-MS/MS)法を用いて実験を行った。この方法は培養細胞に目的遺伝子(BAP1)を導入してタンパク質を発現させる。もしくは、研究代表者が受けた基盤研究(C)2014年度~2016年度の研究成果であるコンディショナルノックインノックアウト細胞を用いて、放射線照射又は薬剤にてDSBをおこさせ又はコントロールとしてDSBさせていない細胞を溶解しBAP1に結合するタンパク質を免疫沈降し直接プロテアーゼ処理して複合体の混合ペプチドを作成する。作成したペプチドをLC-MS/MSにて分析し質量データを得る。この混合ペプチドの質量データをMATRIX Science社のMASCOT及びX!Tandemの2つのプログラムを用いてデータベース検索し結合タンパクを同定する。混合ペプチドを用いるため検索結果に非特異的な結合タンパク質が混ざるため結果閲覧プログラム、MATRIX Science社のSCAFFOLDソフトウェアにて特異的、非特異的なタンパク質の結合を検討した。SCAFFORDソフトウェアにて一覧、数値化してIPAソフトウェアにて解析を行った。
また、新たな同定方法として免疫沈降後にトリプシン処理を行い2次元HPLCを用いてペプチドを分画し、MALDI-TOF/MSにて同定を試みた。新しく立ち上げた実験系では感度が上がり、新規相互作用因子の候補タンパク質が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画では、本年度でのLC-MS実験にて相互作用因子を決定し、次年度から機能解析を行う予定であったが新たに高感度なMALDI-TOF/MSの実験系を立ち上げた為、候補タンパク質の検討に時間が必要になった。

今後の研究の推進方策

当初計画に従って、DSB時のBAP1相互作用因子の同定を行い機能解析を行う。
BAP1の上流で働く相互作用因子が同定された場合、BAP1に対する翻訳後修飾に関わると予想される。その場合DSB後の細胞溶解液をウエスタンブロティング法にて検討、必要であれば質量分析を行う。下流で働く相互作用因子であればBAP1の酵素活性が脱ユビキチン化である事からウエスタンブロティング法にてユビキチン化の有無を検討し必要であれば質量分析を行い、修飾部位も同定する。また予備実験でDSB後にBAP1が集積する事を確認している為、細胞免疫染色法にて検討も行う。具体的には上流でのBAP1に対する相互作用因子の場合siRNAやshRNAをトランスフェクションし、BAP1の集積の変動を検討する。また、関わるパスウェイの阻害剤が存在すれば同じく検討する。下流での相互作用因子の場合BAP1コンディショナルノックインノックアウト細胞を用いて相互作用因子やDSBの指標に用いられるヒストンのリン酸化H2A.XやRad51の集積を検討する。以上においてDSB後に関わるパスウェイとその相互作用因子の確認が出来た後、ヒト乳癌細胞MCF7や乳腺上皮細胞MCF10Aを用いて相互作用因子のノックアウト細胞を作成しゼノグラフトモデルマウスにて検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究室、居室の移動など大学内での雑務に時間を取られ当初予定の研究に対するエフォートが変わってしまった。
当初計画では、本年度でのLC-MS実験にて相互作用因子を決定し、次年度から機能解析を行う予定であったが新たに高感度なMALDI-TOF/MSの実験系を立ち上げた為、当初予定よりも消耗品代が割安になった為に次年度使用額が生じた。
繰り越し分は、新たに立ち上げたMALDI-TOF/MSでの検討に用いる予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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