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2021 年度 実施状況報告書

ACLYトランスジェニックマウスにおける腸内細菌叢変化および発がん機序の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K07251
研究機関地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所)

研究代表者

神田 浩明  地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 病理診断科, 科長(兼)部長 (90260067)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードACLY / 発がん / リンパ腫 / 白血病 / マウスモデル
研究実績の概要

ATPクエン酸リアーゼ(ACLY)は、多種のヒトがんで高発現が認められ、阻害剤が開発されていることから、がん分子標的のターゲットとして期待されている。この蛋白の機能を解析するために、全身でACLYを発現するトランスジェニックマウス(Tg)を作成し、自発腫瘍の形成を観察した。当初、C57BLを背景として観察すると、血球系腫瘍(LL)が高頻度(58%)に発生した。C57BLはLLを多発するコロニーもあるため、LLに耐性のC3Hにバッククロスを行い、バッククロスに用いたものと同じコロニーのC3Hをコントロール(C)としてTg380匹、C49匹を無処置で18月の観察を行った。Tgは54%に腫瘍が発生し、C(16%)に比して有意に腫瘍発生の頻度が高かった。発生した癌腫はC3Hが感受性のある肝がん(29%)が最も多く、次いでLL(18%)が高頻度に発生した。肝がんの発生ではCとの間に有意差は見られなかったが、CにLLは発生しなかった。ACLYは未分化大細胞型リンパ腫の発生に関連するとの報告がある(Basappa J.らbioRxivoi.org/ 10.1101/2020.01.20.910752)。今回までの結果はLLとACLYの関連を示唆していた。現在、Tgに発生したリンパ腫の性状を解析している。
この発がん機序として腸内細菌叢の関与を疑っている。コリバクチンは腸内細菌が産生し、DNA損傷を誘発してヒト大腸がんの発生に関与する蛋白である。Tgを解析すると、腸管周囲リンパ節の腫大が目立つことから、発がんにこの蛋白の関与を疑ったが、Tgの便中にコリバクチンは検出できなかった。現在、さらに腸内細菌叢の解析を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請者が施設を移動し、マウスの移動等に時間がかかったため。

今後の研究の推進方策

発生した血液系腫瘍の性状を調べ、発がんのメカニズムを検討する。また、現在までに経時的にトランスジェニックマウス、コントロールマウスの便を採取・凍結してある。それらを用いて発がんと腸内細菌叢の関連につき解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

マウス検体の採取に時間がかかり、解析実験の開始が遅れたため。
マウスに発生したリンパ腫・白血病の性状を調べるとともに発がんと腸内細菌叢の関連についての解析を行う。

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公開日: 2022-12-28  

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