唾液メタボローム解析による膵癌早期診断システムの構築に関する研究

2019 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 18K07262
• 研究機関: 山梨大学
• 研究代表者: 板倉 淳 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10252032)
• 研究分担者: 市川 大輔 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20347446) ; 杉本 昌弘 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任教授 (30458963)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 定量的決定木 / new onset diabetis

研究実績の概要

今年度はこれまでに採取した49例の膵腺癌症例（PC群）と、対象として49例の嚢胞性病変（IPMNを含む）（B群）と2315例の健常者（C群）の唾液標本の解析結果を欧州膵臓学会（2019年6月）と米国膵臓学会（2019年11月）で発表した。
さらに、データの精度を向上のため、サポート・ベクター・マシーンと定量的決定木Adtree (Alternative decision tree)の組み合わせにより、相関に関係なく幅広い変数を同時に考慮して、高精度に識別する数理モデルを開発した。データは複数に分割して多施設データを模擬した評価試験を行い、またデータ解析上での評価試験も多数行った。具体的には最初に同一検体を何度も測定し、測定装置におけるデータのバラつきを確認し、これらを仮想的にノイズとしてデータ付加し、それでも精度が劣化しにくいモデルを開発した。クロスバリデーション試験やブートストラップ検定も実施し、ノイズに強いロバストなモデルを構築した。
これまでハイリスクグループとして検診センターの超音波検査上要精検者を対象として解析を進めてきたが、さらに膵癌と糖尿病の疫学調査に基づき、新規発症糖尿病患者（NOD:new onset diabetis）をあらたなハイリスクグループとして検体採取、解析システムの設計を行ってきた。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新規検体採取プログラムの実行を4月より予定していたが、COVID-19により連携関連施設との協議が進まず、施設自身の稼働が止まった事により振興が遅れている。

今後の研究の推進方策

今後、連携関連施設の稼働状況をみながら、残っている協議事項に関する話し合いを再開し、新規プログラムの実行を目指す。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19により研究の一時停滞があったため。遅滞したプロジェクト遂行のため使用予定

研究成果

• [学会発表] Analysis of saliva metabolites to develop early detection system for pancreatic cancer (2019)
  • 著者名/発表者名: Jun Itakura, Masahiro Sugimoto, Makoto Sunamura, Kazunori Takahashi, Ryou Saito, Naohiro Hosomura, Hidetake Amemiya, Hiromichi Kawaida, Hirotaka Okamoto, Hiroshi Kohno, Daisuke Ichikawa Hiroko Shindo, Shinichi Takano, Mitsuharu Fukazawa, Tadashi Sato
  • 学会等名: 51th meeting of Europian pancreatic clib
  • 国際学会
• [学会発表] Early diagnosis of PDAC by metabolomics with alternative decision tree-based machine learning methods (2019)
  • 著者名/発表者名: Makot Sunamura, Akihiko Tsuchida, Tako Itoi, Masahiro Sugimoto, Shigeyuki Kawachi, Kyouko Shimizu, Masao Toki, Jun Itakura, Minoru Kitago
  • 学会等名: 50th Anniversary meeting of American pancreatic association Japan pancreas society
  • 国際学会
• [学会発表] Analysis of saliva metabolites to develop early detection system for pancreatic cancer (2019)
  • 著者名/発表者名: Jun Itakura, Masahiro Sugimoto, Makoto Sunamura, Kazunori Takahashi, Ryou Saito, Naohiro Hosomura, Hidetake Amemiya, Hiromichi Kawaida, Hirotaka Okamoto, Hiroshi Kohno, Daisuke Ichikawa Hiroko Shindo, Shinichi Takano, Mitsuharu Fukazawa, Tadashi Sato
  • 学会等名: 50th Anniversary meeting of American pancreatic association Japan pancreas society
  • 国際学会