研究課題
今年度はこれまでに採取した膵腺癌症例(PC群)と、対象としての嚢胞性病変(IPMNを含む)(B群)と健常者(C群)の唾液標本の解析結果を欧州膵臓学会(2020年7月)で発表した。さらに、データの精度を向上のため、サポート・ベクター・マシーンと定量的決定木Adtree (Alternative decision tree)の組み合わせにより、相関に関係なく幅広い変数を同時に考慮して、高精度に識別する数理モデルを開発した。データは複数に分割して多施設データを模擬した評価試験を行い、またデータ解析上での評価試験も多数行った。具体的には最初に同一検体を何度も測定し、測定装置におけるデータのバラつきを確認し、これらを仮想的にノイズとしてデータ付加し、それでも精度が劣化しにくいモデルを開発した。クロスバリデーション試験やブートストラップ検定も実施し、ノイズに強いロバストなモデルを構築した。これまでハイリスクグループとして検診センターの超音波検査上要精検者を対象として解析を進めてきたが、さらに膵癌と糖尿病の疫学調査に基づき、新規発症糖尿病患者(NOD:new onset diabetis)をあらたなハイリスクグループとして検体採取、解析システムの設計を行ってきた。検診センターでの一般検体受付を開始するための運用システム、スタッフ教育等を行った。
4: 遅れている
新規検体採取プログラムの実行を4月より予定していたが、COVID-19により連携関連施設自身の稼働が止まった事により開始が遅延した。
連携関連施設の稼働状況が回復し協議事項に関する話し合いが進んだため、新規プログラむを実行する。
COVID-19感染拡大に伴う検診センターでの一般検体採取開始が遅れ、検体解析がほとんど進まず、結果発表のための学会もほとんど参加できなかったため。
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