研究課題
多施設共同研究(WJOG8114LTR試験)において腫瘍組織あるいは末梢血検体から抽出した腫瘍由来DNA(tumor-derived, cell-free DNA;以下、cfDNA)については、EGFR感受性・耐性遺伝子に関する高感度法(digital PCR法)を用いた解析結果を論文投稿し、採択された(Akamatsu H, Koh Y, Lung Cancer 2019)。この中では、治療開始後4週時点でのcfDNA減衰の有無が長期予後に影響する事を示している。一方でcf DNAでの増悪予測はCTなどの画像における増悪に比して感度が優れるという事は示せなかった。解析時点での増悪症例がそれ程多くない事もあり、増悪予測ツールとしてのcf DNAの意義については今後も検討していく余地があると考えている。また、本研究の副次的解析として、exon19欠失の詳細なバリアントについて次世代シーケンサを用いて解析し、これらの差異がEGFR阻害剤の有効性に影響を与えるのかについて検討し現在論文投稿中である。当院で行ってきた前向き観察研究に関しては63例の症例集積が済んでおり、ほぼ全例に対して複数ポイントでの検体採取とDNA抽出を終えた。また1年目の研究実績として、高感度次世代シーケンサーによる検出系確立のため、観察研究に登録された中の12例についてAVENIO ctDNA Surveillance Kitを用い、既に当科で既に確立したdigital PCRとの比較を行った。結果、EGFR遺伝子変異についてそれぞれ12例・11例で変異が検出され、少なくともdigital PCRと同程度の感度を有する事を確認した。今後治療成績との突合せを経て、当初の目的である高感度次世代シーケンサーを用いた解析を予定している。
1: 当初の計画以上に進展している
当院での前向き観察研究については予定された80例の症例登録のうち既に63例の登録が済み、うち12例については高感度次世代シーケンサーを用いた検出形の確立を済ましている。
本年度も引き続き残りの症例集積を進めていくとともに、まずは前半時点で登録された症例を中心に解析を進めていく。一方で登録症例の中には、現時点の観察期間では十分な増悪が確認されていないものがあることから、こまめなフォローアップが必要である。
高感度次世代シーケンサーによる測定系確立が初回の12例で十分確認されたために、次年度使用額が生じている。一方で本年度は残りの症例について、登録時のみならず経時的な測定も予定していることからこれらの費用は本年度中の使用が見込まれる。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 3件、 査読あり 18件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (2件)
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