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2019 年度 実施状況報告書

疲弊型CAR-T細胞の創出と解析:疲弊回避型CAR-T細胞の創出を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 18K07272
研究機関獨協医科大学

研究代表者

布矢 純一  獨協医科大学, 医学部, 助教 (40466842)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードCAR-T細胞 / 疲弊 / 免疫チェックポイント / HIV
研究実績の概要

本研究計画の目的の一つは、抗原刺激により疲弊型CAR-T細胞を創出する実験系を構築し、疲弊型CAR-T細胞の性状と機能の関係性を明らかにすることである。
令和元年度は、平成30年度に構築した共培養系を用いて、異なる共刺激シグナル配列(CSSD)を有するCAR-T細胞の非抑制環境下およびPD-L1分子による抑制環境下での抗原特異的増殖を解析した。CD28、4-1BB、HVEMをCSSDとして有するCAR-T細胞の非抑制環境下での増殖を解析しところ、CD28、4-1BB、HVEMを有するCAR-T細胞の順に増殖性が高かった。これは、CAR-T細胞中の疲弊(PD-1+LAG-3+細胞)集団の割合と相関していた。次に、ヒトPD-L1と抗原を発現した細胞と共培養することにより、PD-L1分子による抑制環境下における抗原特異的増殖を解析した。CD28を有するCAR-T細胞は、PD-L1分子による抑制環境下では増殖性が極端に低下した。一方、4-1BBやHVEMを有するCAR-T細胞は増殖性の低下が見られたが、PD-L1分子による抑制環境下でも、非抑制環境下のCD28を有するCAR-T細胞より高い増殖性を示した。また、HVEMを有するCAR-T細胞は抗原特異的増殖や疲弊抵抗性が最も高いことが分かった。
これらの結果は、CSSDの種類によってCAR-T細胞の増殖性や疲弊抵抗性に違いがあると共に、HVEMを有するCAR-T細胞が疲弊抵抗的な性状を有していることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

構築した共培養系を用いて、異なるCSSDを有するCAR-T細胞の非抑制環境下およびPD-L1分子による抑制環境下での抗原特異的増殖を解析し、CSSDの種類によってCAR-T細胞の増殖性や疲弊抵抗性に違いがあるということが明らかになったため。

今後の研究の推進方策

抗原刺激したCAR-T細胞の性状および機能を解析する。疲弊化した集団を高頻度に含むCD28 を有するCAR-T細胞をモデル系として、CAR-T細胞の疲弊化を回避する方策を検討する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
共培養実験で得られるCAR-T細胞の性状および機能解析の一部を次年度に行うことにしたため。
(使用計画)
CAR-T細胞の創出、性状および機能解析のために必要な試薬類を購入する。また、研究成果を発表するため、学会への参加費用や論文の投稿および出版費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Arrangement of the VH and VL domains in Chimeric Antigen Receptor (CAR) affects the effector functions of HIV-targeted CAR-T cells2019

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Nunoya, Eijiro Teramura, Michiaki Masuda
    • 学会等名
      The Japanese Society for Virology

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公開日: 2021-01-27  

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