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2021 年度 実績報告書

疲弊型CAR-T細胞の創出と解析:疲弊回避型CAR-T細胞の創出を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 18K07272
研究機関獨協医科大学

研究代表者

布矢 純一  獨協医科大学, 医学部, 助教 (40466842)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードCAR-T細胞 / 疲弊 / 免疫チェックポイント / 転写因子
研究実績の概要

本年度は、本研究計画の2つ目の目的である「疲弊化した集団を高頻度に含むCD28 を有するCAR-T細胞をモデル系としたCAR-T細胞疲弊化の回避方策」について検討を行った。CAR-T細胞疲弊化の回避方策として、サイトカインの添加および転写因子X(公表前のため、因子名はXとした)の共発現を検討した。作製したCAR-T細胞の疲弊度を解析するために、疲弊マーカー(PD-1、LAG-3、Tim-3)の発現パターンを指標として比較解析を行った。PD-1+LAG-3+Tim-3+の疲弊細胞集団の割合は、転写因子Xの共発現により約50%減少した。また、サイトカインIL-7およびIL-15の添加条件でもIL-2添加条件に比べ、疲弊細胞集団の割合は約50%減少した。さらに、IL-7およびIL-15添加条件において転写因子Xを共発現させると、疲弊細胞集団の割合はIL-2添加条件に比べ約80%減少した。しかし、IL-7およびIL-15添加条件では細胞の増殖が非常に悪く、十分な細胞数を得ることが難しかった。また、これらの細胞について、CD45ROおよびCCR7の発現パターンを指標としてメモリー表現型の解析を行ったところ、IL-2添加条件で転写因子Xを共発現させると、ナイーブ様(CD45RO-CCR7+)やセントラルメモリー型(CD45RO+CCR7+)の細胞集団が優位に増加していた。したがって、IL-2添加条件で転写因子Xを共発現させることで、疲弊細胞集団の割合が少なく、メモリー型優位なCAR-T細胞を作製できると考えられた。以上の結果から、本研究計画の目的である「CAR-T細胞疲弊化の回避方策」を見出すことができた。今後、さらに詳細な機能および性状の解析を行い、その特性を明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Arrangement of VL and VH domains in VRC01-Based chimeric antigen receptor (CAR) affects functions and exhaustion status of CAR-T cells2021

    • 著者名/発表者名
      Nunoya Jun-ichi, Teramura Eijiro, Masuda Michiaki, Su Lishan
    • 雑誌名

      Re:GEN Open

      巻: 1 ページ: 26-39

    • DOI

      10.1089/regen.2021.0005

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Herpes virus entry mediator由来共刺激シグナル配列を有するキメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T細胞)は疲弊抵抗的な性状を示す2022

    • 著者名/発表者名
      布矢純一, 伊牟田凪砂, 増田道明, Lishan Su
    • 学会等名
      日本免疫治療学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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