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2020 年度 実績報告書

糸状菌由来ポリエチレングリコール誘導体による腫瘍特異的な細胞障害性の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K07275
研究機関日本大学

研究代表者

藤原 恭子  日本大学, 歯学部, 准教授 (40595708)

研究分担者 尾崎 俊文  千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ DNA損傷シグナル研究室, 室長 (40260252) [辞退]
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードポリエチレングリコール / 神経芽腫
研究実績の概要

前年度までの研究により,PEG-Xがミトコンドリアの呼吸鎖複合体Iを標的とし,呼吸鎖を阻害してATPの産生を抑制することで腫瘍細胞の増殖を抑制していることを確認した。しかしながら,PEG-Xを投与しても増殖や生存率にほとんど影響がみられないヒト繊維芽細胞HDFにおいても,PEG-X投与により腫瘍細胞と同程度に酸素消費量が低下したことから,PEG-Xによる腫瘍細胞特異的な増殖抑制効果の原因を探るため以下の解析を行った。これまでにPEG-X投与後の細胞内ATPの濃度にはHDFと人神経芽腫細胞株SK-N-ASおよびNB9との間で違いは無いとの結果を得ていた。しかしながら,PEG-X投与後の初期のATP濃度の変化についてはデータがなかったため,1 μM のPEG-X を投与後,2時間おきに12時間まで細胞内ATP濃度を定量し,非投与群との比較を行った。その結果,いずれの細胞においても投与後4時間目以降からATP濃度の低下が見られ始めたが,HDFと神経芽腫細胞株の間で違いは見られなかった。次に,細胞を1 μM のPEG-X存在下もしくは非存在下で24時間培養し,細胞内のROSのレベルをDCGH-DAを用いて解析した。また,同様に24時間培養した後,γH2XのレベルをWestern blottingによって調べ,DNA二本鎖切断レベルの解析を行った。その結果,いずれの細胞においても,PEG-X投与後の有意なROSレベルの上昇やDNA二本鎖切断の増加は観察されなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Polyethylene glycol derivative 9bw suppresses growth of neuroblastoma cells by inhibiting oxidative phosphorylation.2020

    • 著者名/発表者名
      Nagasaki-Maeoka E, Ikeda K, Takayama KI, Hirano T, Ishizuka Y, Koshinaga T, Tsukune N, Takayama T, Inoue S, Fujiwara K
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 111 ページ: 2943-2953

    • DOI

      10.1111/cas.14512

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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