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2020 年度 実施状況報告書

腸内細菌による大腸腫瘍初期病変の異なる分子サブタイプ誘導に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K07276
研究機関関西医科大学

研究代表者

田原 智満  関西医科大学, 医学部, 講師 (80533968)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード大腸腺腫 / 腸内細菌 / 分子サブタイプ
研究実績の概要

大腸腫腺腫病変(n=250)の腫瘍部・背景粘膜に関して、内視鏡切除材料由来のサンプルよりゲノムDNAを抽出し遺伝子変異・メチル化解析を念頭に濃度調整を行い、一部をバイサルファイト反応を行い凍結保存している。新たな病変に関しても30例につき内視鏡切除材料由来の組織サンプルを採取した。臨床情報(性、年齢、病変サイズ、肉眼形態、部位、病理結果)を取得したデータの整理を進めている。細菌解析・腫瘍ゲノム解析は、Fusobacteriumnucleatumに関して、リアルタイムPCRプライマーを作成、実験条件を確認した。候補遺伝子変異であるKRAS(EXON2)APC(EXON15)BRAF(V600E)に関して、プライマーをデザインし、実験条件を確認した。候補遺伝子メチル化であるMINTs,MLH1,などに関して、プライマーをデザインし、実験条件を確認した。さらに既報をもとに、各臓器における炎症・腫瘍疾患でメチル化が報告されている遺伝子45個を新たに選定、パイロシークエンスプライマーを専用ソフトを用いデザインした。2019年度以降、代表者異動に伴い実験がストップしてしまい、現在は対象サンプルのDNA抽出、一部のバイサルファイト反応が行われたのみであり、大部分の実験が未施行の状況である。本研究の目的は大腸腫瘍初期病変の分子サブタイプごとの細菌プロファイルを行い、異なる大腸腫瘍の分子サブタイプを規定しうる細菌を同定、さらに、因果関係を評価するために動物モデルを用い感染実験を行うことである。次年度に関しては収集した大腸腫瘍サンプルに関して、候補遺伝子解析をもとにした、分子サブタイプによる分類、細菌解析として、候補であるFusobacteriumnucleatumに加え、セレクトしたサンプルに関して、次世代シークエンサーを用いた網羅的細菌解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

対象サンプルのDNA抽出、一部のバイサルファイト反応が行われたのみであり、大部分の実験が未施行の状況である。代表者の異動に伴い実験がストップしてしまっていることが要因であるが、現在は所属先による研究環境が整いつつある。本研究の目的は大腸腫瘍初期病変の分子サブタイプごとの細菌プロファイルを行い、異なる大腸腫瘍の分子サブタイプを規定しうる細菌の同定を行い、さらに、因果関係を評価するために動物モデルを用い感染実験を行うことであり、当初の目的に比し遅れていると判断されされる。

今後の研究の推進方策

代表者の新規所属先の実験室内にはゲノム解析機器(サーマルサイクラーなど)の設備が不十分であったが、現在はPCR,パイロシークエンスが行えるよう環境を整えつつある。
2021年度には当初の予定のうち、臨床検体の解析は最低限行いたいと考えている。
全ての実験計画を年度内に遂行できない可能性もあるが、科研費の助成期間後も研究を続け、成果を論文発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

代表者異動に伴い研究進行が滞り、計画どおりの使用とならなかった。
2021年度に遅延を取り戻すために当初の予定のうち、臨床検体の解析は行う予定としている。具体的には、全サンプルの候補遺伝子のメチル化解析、フソバクテリアのリアルタイムPCR解析、代表サンプルに関してはメチル化アレイ解析を行うこととする。これらの実験に前年度より繰り越した研究費を計上予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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