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2019 年度 実施状況報告書

鉄代謝経路の解析によるがん性悪液質新規治療法確立のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K07279
研究機関川崎医科大学

研究代表者

山根 弘路  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50624897)

研究分担者 瀧川 奈義夫  川崎医科大学, 医学部, 教授 (60325107)
越智 宣昭  川崎医科大学, 医学部, 講師 (80611615)
中西 秀和  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50309548)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードフェリチン / 予後予測因子 / 肺癌 / 固形腫瘍
研究実績の概要

血清炎症性マーカーのうちCRPとフェリチンについては患者予後と負の相関関係を示し(P=
0.0097および、P=0.00551)、既報通り進行期がん患者の炎症とがん悪液質の関係性が確認された。限られた症例数(N=17)ではあったが、血清ヘプシジン25濃度と患者予後においても同様に負の相関関係が認められ、ヘプシジンを介する鉄代謝経路が患者予後に影響を及ぼす可能性が示唆された(P=0.028)また肺がん患者においては、入院時および1週間後の血清フェリチン値、CRP値およびESR 1時間値と、入棟後の生存期間(≦7週:予後不良群 vs >7週:予後良好群)を比較し、Papsにこれら炎症性マーカーを追加する意義を検討した。【結果】予後不良群の入院時フェリチンは、良好群より高値であった(平均±標準偏差 : 583.3±623.1 vs 174.8±199.1、P=0.0372)。入院時と1週後のフェリチン比は、予後不良群では良好群より低下していた(平均±標準偏差: 0.902±0.337 vs 1.124±0.264、P=0.029)。ROC曲線から算出した予後不良群のcutoff値は入院時フェリチン値135ng/mL未満、フェリチン比0.975以上であった。一方、入院時CRPとESR(1時間値)は予後不良群と良好群に差はなく、入院時と1週後のそれぞれの比にも差は認められなかった。Papsに入院時フェリチン値とフェリチン比を加えた予後解析では、感度は78.5%から50%に低下するものの、特異度は23. 3%から97.7%に、正確度は36.8%から86.0%に上昇した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

PCU入棟時に同意を得て採取した患者血液検体を用いた炎症性マーカーと患者生化学データの推移と患者予後との解析は順調に進み、2020年度 日本肺癌学会総会および緩和・支持・心のケア 合同学術大会2020において、「終末期肺がん患者予後に影響する血清炎症性マーカーの検討と新たな予後予測指標の提案」「進行期がん患者における血清炎症性マーカーおよび血清ヘプシジン25濃度と患者予後との関係性について」の2演題の研究報告を行う予定である。しかしながら、動物実験についてはコロナウイルス関連の研究環境整備の遅れのお影響もあり開始できていない。

今後の研究の推進方策

2020年度は動物実験を急ぎ、動物実験モデルを用いたフェリチン値および血清ヘプシジン濃度と生存期間との関係性について研究を進め、更なる成果を手にしたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

動物実験が遅れており、そのため上述の次年度使用額が生じた。
次年度は次年度使用額の70%をヌードマウスの購入資金とおよびノックアウトマウスのスクリーニングにかかる資金として使用し、今年度の動物実験遅延の回復に努める予定である。残り30%については学会発表・論文発表の諸経費として使用し、成果を広く啓蒙する資金に充てる。

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公開日: 2021-01-27  

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