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2020 年度 実績報告書

鉄代謝経路の解析によるがん性悪液質新規治療法確立のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K07279
研究機関川崎医科大学

研究代表者

山根 弘路  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50624897)

研究分担者 瀧川 奈義夫  川崎医科大学, 医学部, 教授 (60325107)
越智 宣昭  川崎医科大学, 医学部, 講師 (80611615)
中西 秀和  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50309548)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード炎症性マーカー / 鉄代謝 / CRP / フェリチン / 赤血球沈降速度 / 予後相関 / Paps
研究実績の概要

がん悪液質は腫瘍進行に伴い増悪する慢性炎症による進行期がん患者の本質的病態である。近年血清中ヘプシジン25濃度と各種炎症性疾病における患者予後との相関関係が報告され、終末期がん患者の血清炎症性マーカー:CRP・フェリチン・赤血球沈降速度(以下ESR)および血清中ヘプシジン25濃度と患者予後との関係に注目し、本研究を開始した。対象は2016年12月-2019年12月までに川崎医科大学総合医療センター緩和ケア病棟で加療した進行期がん患者157名。CRP・フェリチン・ESRはカルテより抽出し、ヘプシジン濃度は保存血清を用いて測定し患者予後との相関を確認したところ、CRPとフェリチンについては患者予後と有為な負の相関関係を示し、既報通り進行期がん患者の炎症とがん悪液質の関係性が示唆された。限られた症例数ではあったが、血清ヘプシジン濃度と患者予後ついても負の相関関係が認められ、鉄代謝経路を介して慢性炎症は進行期がん患者予後に影響を及ぼす可能性が確認された。次に進行期肺がん患者について、入院時および1週間後のフェリチン値、CRP値およびESR 1時間値とその推移、入棟後の生存期間(≦7週:予後不良群 vs >7週:予後良好群)を比較し、すでに予後予測指標として有効性が確立されているPalliative Prognosis Score(以下Paps)にこれら炎症性マーカーの推移を追加する意義を検討した。Papsに患者フェリチン値の推移を加えた解析では、予後良好群を予測する感度は78.5%から50%に低下するものの、特異度は23. 3%から97.7%に上昇し、有用性が確認された。CRPとESR(1時間値)は予後不良群と良好群で平均値に有為差はなく、進行期肺がん患者においては炎症性マーカーのなかでもフェリチンのデータをPapsに加えて解析することが有用であることが確認された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 進行期がん患者における血清炎症性マーカーおよび血清ヘプシジン25濃度と患者予後との関係性について2020

    • 著者名/発表者名
      山根弘路 越智宜昭 中西秀和 小原弘之 六原純子 瀧川奈義夫
    • 学会等名
      第25回 日本緩和医療学会学術大会
  • [学会発表] 終末期肺がん患者予後に影響する血清炎症性マーカーの検討と新たな予後予測指標の提案2020

    • 著者名/発表者名
      山根弘路 越智宜昭 中川望 長崎康有 河原辰由樹 市山成彦 田岡征高 三村彩香 小原弘之 瀧川奈義夫
    • 学会等名
      第61回 日本肺癌学会 学術集会
  • [学会発表] 肺がん患者におけるACPを考える2020

    • 著者名/発表者名
      山根弘路
    • 学会等名
      第61回 日本肺癌学会 学術集会 ワークショップ5

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公開日: 2021-12-27  

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