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2021 年度 実績報告書

真に奏功する「がん細胞ワクチン」の開発を目指した基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K07286
研究機関北海道大学

研究代表者

和田 はるか  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (70392181)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードがん細胞ワクチン / ワクチン療法
研究実績の概要

我々はがんワクチン研究において興味深い特徴をもつがん細胞亜株を見出している(Abe, Wadaら, Hum Cell, 2016)。BALB/cマウス乳がん細胞株4T1をX線照射処理の後、BALB/cマウスに“がん細胞ワクチン”として接種し、その後生きた4T1細胞を移植する実験を行った。ATCCより入手した4T1細胞株(4T1-A)にワクチン効果はみられなかったが、偶然見出した4T1亜株(4T1-S)は、顕著なワクチン効果を発揮した。この両細胞株の差異を解析することにより奏功するがんワクチンを開発できると考えた。4T1-Sワクチンが奏功する機序は何か。無効ながん細胞ワクチンはどうしたら有効化できるか。この2点が本研究課題の核心をなす学術的「問い」である。細胞ワクチンが奏功する4T1-Sでは、放射線照射後に免疫応答に関与する因子の発現が誘導されることを見出した。4T1-A/-S間でみられるワクチン効果の差異は、この産生因子の相違による可能性が考えられ、差分解析によりワクチン奏効する因子を明らかにできると考えた。4T1-A/Sに加え、ワクチン有効/無効株をそれぞれ2株ずつ同定した。これらの細胞株をRNAseq解析した結果、X線照射後の有効株群でFPKM>2であり、無効株よりも2倍以上で有意差をもって高発現する遺伝子が15個抽出された。上位3遺伝子について4T1-Aに遺伝子導入(4T1-A Tg)してワクチン実験を行ったところ効果の増強がみられた。そこで上位10個の遺伝子をクローニングし、遺伝子導入後ワクチンしたところ、既にワクチン効果の増強がみられている上位3個の遺伝子を導入した株に比べワクチン効果が劣り、対照4T1-Aと腫瘍発生までの期間および生存期間に差がなかった。10遺伝子導入では各遺伝子発現レベルが3遺伝子導入時に比べ低く、ワクチン効果の減弱につながったと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 腫瘍開始細胞は炎症環境を形成し免疫細胞を老化させて抗腫瘍応答の低下を導くことで免疫健常個体における腫瘍発生を許容させる2021

    • 著者名/発表者名
      和田はるか、清野研一郎
    • 学会等名
      日本免疫治療学会
  • [学会発表] Dying but not dead cancer cells exert cell-based cancer vaccine effect2021

    • 著者名/発表者名
      Haruka Wada, Nabeel Kajihara, Ken-ichiro Seino
    • 学会等名
      日本癌学会
  • [産業財産権] 抗腫瘍組成物及びその製造方法2021

    • 発明者名
      清野研一郎、和田はるか
    • 権利者名
      北海道大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      P21HU04

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公開日: 2022-12-28  

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