がん遺伝子が誘導する複製ストレス(発がんRS)は細胞死を誘導し、これを解消する応答機構ががん促進に重要な役割を果たす。この機構を解明し、RS増強による細胞死を誘導する治療法が期待されている。 本研究ではRS応答機構のRad51と、近年RSの原因として注目されているグアニン四重鎖(G4)が発がんRSに与える影響を解析し以下の結果を得た。(1)Rad51が複製フォークの保護と相同組換え修復を介してMyc誘導性RSへの耐性を高め、細胞の生存・増殖を促進する。(2)Myc活性化によりG4が増加し、G4安定化剤はRS反応を増強した。(3)このG4増加に対する応答にPolymeraseηが関与する。
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