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2019 年度 実施状況報告書

患者B細胞を用いたモノクローナル抗体作製とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K07293
研究機関金沢大学

研究代表者

高松 博幸  金沢大学, 医学系, 講師 (70401932)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードモノクローナル抗体 / HLA抗原 / リンパ系腫瘍 / 癌精巣抗原
研究実績の概要

これまでに作製に成功した抗HLA-B61とA24モノクローナル抗体に加えて, 抗HLA-B54抗体産生細胞をサイトカインカクテルで刺激した患者末梢血から細胞アレイを用いて分離し、その細胞から抽出したDNAを用いて遺伝子組換えを行い、抗HLA-B54抗体をクローニング、抗体発現ベクターを構築し、そのトランスフェクションによってモノクローナル抗体産生細胞候補を作製した。さらに、産生細胞のシングルセルクローニングを行い、産生された抗HLA-B54抗体がHLA-B54と結合することをELISAで確認した。一方、抗HLA-B61モノクローナル抗体を用いて免疫抑制療法が奏効しやすい患者の診断を可能になるため(HLAロスをフローサイトメトリーで検出する)、Fc部分をマウス型に遺伝子組換えした抗HLA-B61モノクローナル抗体を大量に作製できるように動物細胞大量培養システムを構築し、モノクローナル抗体の大量作製を行い、検査試薬としてルーチン検査に使用している。また、長期間分子学的完全寛解(molecular complete remission: mCR)を維持している多発性骨髄腫患者血清中には種々の自己抗体が検出されることを、これまでに蛋白質アレイを用いた網羅的解析で明らかにした。その自己抗体が認識する癌精巣抗原の一つが正常血液細胞では発現がなく、患者14症例の骨髄腫細胞のうち8症例(57%), 3種類の骨髄腫細胞株(RPMI8226, AMO-1, U266)の全例(100%)と骨髄腫細胞で高率に発現していることをウエスタンブロット法を用いて確認した。また、今回同定した癌精巣抗原は膜貫通ドメインを有し、細胞表面での発現が報告されており、その点も確認中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細胞アレイでは複数の抗体遺伝子が分離されてきたため、細胞アレイに複数の細胞が入った、もしくは顕微鏡で細胞をキャプチャーする際に複数の細胞を回収したと考えられる。当初は、シングル細胞しか細胞アレイには入らないと考えていたため、クローニングを複数回行っているために、進捗がやや遅れている。また、治療ターゲットである癌精巣抗原の同定に時間がかかったため。

今後の研究の推進方策

細胞アレイによる抗体産生B細胞の分離を確実・迅速に行えるように共同研究を行っている富山大学免疫学教室との連携を深めていく予定である。それにより、当初予定していた「長期間分子学的完全寛解(molecular complete remission: mCR)を維持している多発性骨髄腫患者血清中に検出される今回同定した癌精巣抗原に対するモノクローナル抗体作製も前記した抗HLAモノクローナル抗体に加えて実施する予定である。作製したモノクローナル抗体やCAR-T, T-cell receptor-engineered T cellsの生物学的機能をin vitroの系で確認する計画である。

次年度使用額が生じた理由

2020年1-3月に購入した試薬等が予定よりも安価に購入できたために、305171円の次年度繰越金が生じた。その繰越金は次年度の物品費に充てる予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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