大腸癌の診断は便潜血検査が簡便であるが偽陰性が多い。一方、大腸内視鏡検査は前処置を含めて侵襲性が高く、出血によって見られる高度の小球性貧血がある症例や便潜血が陽性の症例にのみ実施されることが多い。本研究により大腸癌患者において出血以外の原因でおこる貧血が多く存在することが明らかとなり、日常診療あるいは健康診断等の際に便潜血が陰性であっても、また、正球性~大球性であっても貧血があれば大腸内視鏡検査を実施する根拠となり、大腸癌の早期発見と治療成績の改善、さらには高騰する医療費の削減につながると期待できる。
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