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2020 年度 実績報告書

メタボロ-ム解析による膵癌術前化学放射線療法における治療抵抗性の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K07298
研究機関香川大学

研究代表者

岡野 圭一  香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (20314916)

研究分担者 曽我 朋義  慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (60338217)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード膵癌 / 術前治療 / メタボローム解析 / 遺伝子解析 / コリン代謝 / 治療抵抗性 / 予後予測 / CE-MS
研究実績の概要

膵癌における術前治療抵抗性メカニズムを解明するため、メタボローム解析とシークエンス解析を施行することにより研究を進めた。2003年2月から2017年11月までの期間に当院で施行した膵癌切除例は169例であり、このうち49症例から得られた腫瘍組織および膵正常組織を用いてメタボローム解析(CE-MS)による代謝の変化を検討した。49例のうち術前治療を受けたのは30例であった。術前治療のない症例をcontrol群とし、NACRT群との代謝の変化を検討した。NACRT群にはEVANS分類を用い、50%以上の腫瘍変性を認める治療有効群(n=10)と、腫瘍変性が50%以下の治療抵抗群(n=20)とに分類して両群での代謝の変化を比較した。
CE-MSメタボローム解析から、癌細胞にとって重要な役割を果たすコリン代謝系路に注目すべき変化が認められた。腫瘍組織においてNACRT群のcholine濃度の平均値は501.36nmol/g、control群では371.51nmon/g(P=0.6)で有意差は認めなかったものの、phosphocholineはNACRT群(550.46nmol/g)でcontrol群(943.76nmol/g)より有意に低値であった(P=0.04)。治療効果の比較では治療有効群における腫瘍組織のcholine濃度(354.76nmol/g)は治療抵抗群(574.67nmol/g)と比較して低下傾向を示した(P=0.05)。phosphocholine値は治療有効群(406.41nmol/g)で治療抵抗群(622.49nmol/g)より有意な低下を認めた(P=0.03)。シークエンスにおいてコリントランスポーター(CTL1-4)の遺伝子発現抑制が確認され、NACRT施行ならびにその効果の程度によって腫瘍組織におけるコリン代謝が抑制されている可能性が示唆された。

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公開日: 2021-12-27  

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