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2018 年度 実施状況報告書

mRNAスプライシングを正確に保つ機構を逆手にとったがん抑制戦略

研究課題

研究課題/領域番号 18K07304
研究機関藤田医科大学

研究代表者

福村 和宏  藤田医科大学, 総合医科学研究所, 助教 (80622117)

研究分担者 恵美 宣彦  藤田医科大学, 医学部, 教授 (30185144)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードmRNAスプライシング / アンチセンスオリゴヌクレオチド / オーロラB / RNPS1
研究実績の概要

アンチセンスオリゴヌクレオチドにより標的となる遺伝子のmRNAスプライシングをin vivoで人為的に抑制し、発現量を調節することができれば多くの疾患の治療薬として強力なツールとなるに違いない。我々はRNPS1というRNA結合タンパク質が、オーロラB遺伝子のmRNA上に結合し、正確なmRNAスプライシングを保証していることを明らかにした。実際、RNPS1の発現阻害を行うとオーロラBの異常mRNAスプライシングが誘導され、タンパク質量が著しく減少する。オーロラBは、多くのがん細胞で過剰発現しており、がん化に強く関与することが知られている。そのため、オーロラB阻害剤は抗がん剤として精力的に研究開発が行われている。本研究ではオーロラB mRNAとRNPS1の結合を相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドによって阻害することで、オーロラBの発現を低下させ、効果を発揮する抗がん剤の創出を目指している。当該年度の研究によって、オーロラB mRNAのRNPS1の結合部位周辺に対して複数の相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを合成し、培養細胞へ導入していき、オーロラBが異常スプライシング を誘導するアンチセンスオリゴヌクレオチドのスクリーニングを行った。その結果、効果を発揮するオリゴヌクレオチドの候補を決めることができた。ただ、RNPS1の発現阻害に比べ、アンチセンスオリゴヌクレオチドの効果はまだ弱く、来年度以降の研究で改良していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初に計画した通り、初年度でオーロラBの異常mRNAスプライシングを誘導するアンチセンスオリゴヌクレオチド候補を決めることができた。

今後の研究の推進方策

当該年度の研究では、オーロラBの異常スプライシングを誘導するアンチセンスオリゴヌクレオチド候補を決めることができたが、その効果はRNPS1の発現阻害を行った場合よりも弱く、改良が必要である。そこで次年度は、より大きな効果を発揮できるように、アンチセンスオリゴヌクレオチド自体とその導入法について改良を進めていく。まず、アンチセンスオリゴヌクレオチドの修飾を変更することで改良を試みる。現在、2’-O-メチル修飾のオリゴヌクレオチドを使用しているが、モルフォリノ修飾などの核酸修飾に変えていくことで、より大きな効果が発揮できないか検討していきたい。細胞への導入法についても改良を試みる。これまで市販の細胞導入試薬を用いて、アンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞内へ導入してきたが、エレクトロポレーション法に変更することで、より効率よくアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞内に導入できないか検討する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度分の経費は、ほぼ使用しているが、残額32,620円は次年度の試薬購入に当てる予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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