研究課題
本研究では、(1)XAGE1抗原の発現均一性とXAGE1免疫応答の強さとの関係、(2)XAGE1抗原発現の均一性とネオ抗原発現の数と均一性との関係、および(3)免疫チェックポイント阻害薬の効果予測バイオマーカーとして、ネオ抗原の発現数と均一性のみならず、XAGE1抗原の発現均一性とXAGE1免疫の強さが重要であることを明らかにするが目的である。当該年度では、非小細胞肺癌患者の組織検体および血液検体を用いて(1)の関係を解析した。42名の組織検体におけるXAGE1抗原の発現を免疫組織化学染色法で、XAGE1抗原に対する免疫応答の強さを、XAGE1-IgGを検出するELISA法で検討した。42名中、XAGE1抗原陽性者は、14名(33%)であり、42名中、XAGE1-IgG陽性者は、7名(17%)であった。XAGE1抗原の発現の多寡をIHC score(0-300)で表し、免疫応答の多寡をXAGE1-IgG抗体価の力価との相関を検討したところ、XAGE1抗原の発現の多寡と、XAGE1免疫応答の強さに相関は見られなかった。また、対象抗原としてNY-ESO-1に対する抗原の多寡と免疫応答の強さを検討したところ、 42名中、NY-ESO-1抗原陽性者は、12名(29%)であり、42名中、NY-ESO-1-IgG陽性者は、4名(10%)であった。同様にNY-ESO-1抗原の発現の多寡をIHC score(0-300)で表し、免疫応答の多寡をNY-ESO-1-IgG抗体価の力価との相関を検討したところ、NY-ESO-1抗原の発現の多寡と、NY-ESO-1免疫応答の強さに相関は見られず、XAGE1と同様の結果であった。以上より、抗原の多寡と免疫応答の強さは相関しないことが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
各年次の目標を順調に達成している
今後は本研究目標である、(2)XAGE1抗原発現の均一性とネオ抗原発現の数と均一性との関係、および(3)免疫チェックポイント阻害薬の効果予測バイオマーカーとして、ネオ抗原の発現数と均一性のみならず、XAGE1抗原の発現均一性とXAGE1免疫の強さが重要であることを明らかにする予定である。
ほぼ計画どおりに進んでいる。
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