研究実績の概要 |
令和元年度はタモキシフェンを含む乳がんホルモン療法が施行された患者を対象に血液サンプルの単核球分画より、生殖細胞系列のゲノムDNAを抽出し、エクソーム解析を行った。average depth of coverageは50程度であり、HGVD(Human Genome Variation Database)のreference配列と各症例のゲノムシーケンスを比較したところ、各症例につき約12万個のSingle Nucleotide Variant (SNV),Insertion/Deletion多型が同定された。同じくHGVDのreference配列をコントロールとしてC10orf11のターゲット・リシークエンスも行ったところ、0.1程度のアレル頻度をもつバリアント(SNV)を同定した。 また昨年度に引き続き、本研究対象となる、上記治療を受けた乳がん症例を電子カルテより検索し、① 基本情報 (年齢、性別、がん種、既往歴、現病歴、家族歴、病期、治療内容、予後等)、②本研究に必要な情報 (前治療内容、治療開始日、投与量、併用薬剤、投与期間、投与方法、投与経路、副作用情報 (種類、発現日、Grade、発現期間等)、治療反応性情報 (縮小率、無再発生存期間、生存期間、無増悪生存期間等)) 等を抽出し、本研究における解析用の臨床情報データベースの一部を構築した。
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