研究課題
基盤研究(C)
本研究では、腎臓がんのPBRM1、SETD2、BAP1欠損がんに対する合成致死治療標的を同定し、腎臓がん患者を対象とした個別化がん治療法を開発することを目的とする。本研究では、PBRM1欠損がんにおける合成致死標的を探索した結果、複数の標的を同定した。今後はこれらの標的について、PBRM1欠損がんにおける機能的意義のメカニズムを解明することで、これらの標的の阻害薬の創薬開発へと発展させていくことで、PBRM1欠損型腎臓がんにおける治療法の臨床応用を目指す。
腫瘍治療学
腎臓がんにおける遺伝子異常に基づいた個別化がん治療法は行われていない。PBRM1の遺伝子異常は約40%の腎臓がん患者で見られる。本研究で同定した標的の阻害薬を開発することで、PBRM1遺伝子異常を持つ腎臓がん患者の40%に対する個別化がん治療法の臨床応用が期待できる。さらにPBRM1は腎臓がん以外の胆道がん等の難治性がんでも高頻度異常が認められるため、他のがん種でも個別化治療法の臨床応用が期待できる。