研究課題
(1)IL-27がCML発症を抑制する作用機序に関する検討:IL-3依存性に増殖するマウスpro-B細胞Ba/F3(IL-27のレセプターの1つWSX-1は内在性に発現)にもう1つのサブユニットgp130遺伝子導入しIL-27に反応性を示す細胞と、この細胞にさらに白血病原因遺伝子BCR-ABLとコントロールベクターを遺伝子導入した細胞を作製し、IL-27刺激とBCR-ABL存在下での細胞増殖への影響を調べると、両者が存在すると増殖が抑制される傾向が見られたので、さらに検討を行っている。(2) IL-27によるPD-L1発現増強の影響に関する検討:マウスメラノーマB16F10にIL-27を遺伝子導入した細胞をマウスに植えると、腫瘍内でPD-L1発現の増強が見られた。そこで、コントロールのB16F10とIL-27-B16F10、抗PD-L1抗体の投与による腫瘍増殖への効果を比較すると、両者により腫瘍増殖がさらに強く抑制される傾向が見られた。(3) IL-27のMDSC分化への影響に関する検討:まず、IL-27のin vivoでのMDSCへの効果を調べるため、IL-27発現ベクターを遺伝子導入したメラノーマ腫瘍B16F10をマウスに植えると、FACSで解析腫瘍内に浸潤したMDSCの割合と細胞数の増加が見られた。そこで、そのMDSCを、抗CD11b抗体とAutoMACS Proで精製し、卵白アルブミン(OVA)特異的なT細胞受容体のOT-Iマウス由来のCD8+T細胞に加えると、抗原特異的増殖の抑制効果の増強が見られた。次に、マウス骨髄細胞をGM-CSF+G-CSF+IL-13存在下で培養しMDSCを分化誘導する培養系にIL-27を加えると、in vitroでのMDSCへの分化の抑制効果が見られた。
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