がん診断において、腫瘍マーカーはがん治療における経過観察やがん再発の確認に利用されている。しかし早期診断や多様ながんに対応できる腫瘍マーカーを欠いていることも事実である。本研究ではHPLCの溶出パターンに基づいた独自の糖鎖腫瘍マーカー探索を行い、新たに17種類の腫瘍マーカー候補を見出した。これらのがん患者血清レベルを測定すると、患者血清ごとに高値を示すマーカー候補が異なり、多くのがん患者に有効な診断システムを確立するためには、臨床的に有用な腫瘍マーカーを多く見出すことが必須であることが示唆された。また新規腫瘍マーカー探索は、より精度の高いがん診断に寄与すると考えられる。
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