V4野の神経細胞の注意に依存した活動に及ぼす動機付けの影響を調べるため,サルに視覚探索課題を訓練した.課題では複数の刺激の中から唯一異なる刺激を探し,サッカードさせた.動機付けの状態を変えられるように,報酬量が異なる条件を導入した.異なる報酬条件間で,反応時間,サッカード速度,及び瞳孔径について検討したところ,反応時間とサッカード速度には差がない一方で,瞳孔径は多報酬試行で大きく少報酬試行で小さいことが分かった.更に,瞳孔径と反応時間の間には負の相関があることを見出した.神経細胞活動の記録は今後となるが,瞳孔径を手掛かりに,動機付けが注意に依存した神経細胞活動に与える影響を解析する方針である.
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