「食べる」行動は、生きている動物すべてに必要不可欠な行動であるが、その「欲望」の起こる仕組みについてはこれまで研究することが難しかった。我々は、単純な「食べる」行動タスクではあるが、比較的長時間「欲する」行動を動物に表出させることのできる行動タスクを活用することで、「欲する」ときに活動していた神経細胞群を確認することができた。本研究の成果と現代で利用可能な遺伝子改変動物、技術を活用することで、本研究で確認された活性化神経細胞群の機能的役割を研究する道が開かれたと考えている。「欲望」の調節は、時として我々人類の多くが望むことであるが、その生じるメカニズムを知ることで、調節することにも貢献したい。
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