研究課題/領域番号 |
18K07354
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
丸山 敬 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30211577)
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研究分担者 |
吉川 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10435860)
柳下 楠 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (70799189)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | テストステロン / ニューロリギン / ニューレキシン / シナプス接着分子 |
研究実績の概要 |
本研究では、ニューロリギンと社会性の関係をタンパク質同士の相互作用の観点から明らかにするものである。認知症においても、社会性が著しく損傷するピック病のような疾病が存在する。このような症状の原因を探るうえで、認知症とともに社会性にも深く関与しているニューロリギンに焦点を当てた。また、ニューロリギンがシナプスにてニューレキシンと結合し、シナプスの形成や維持に寄与していることから、この結合に対して影響を与える因子を探索した。 ニューレキシンは性ホルモン結合タンパク質と共通の構造を有する。このことより、ニューレキシンが直接性ホルモンと相互作用することが考えられた。また、性ホルモンと相互作用することで、ニューレキシンとニューロリギンとの結合に影響を及ぼし、シナプス形成に対して影響を与えることが予想された。社会性に対して、関与が示唆されているテストホルモンを始めとした、ステロイドホルモンに関してニューロリギンとニューレキシンの結合への影響を検討した。 この結果、男性ホルモンであるテストステロンがニューロリギンとニューレキシンの結合を阻害すること、この干渉作用はテストステロンが直接ニューレキシンと結合することによるものであることを明らかにした。これらの成果を培養細胞系にて確認し、論文にまとめて発表した(Yagishita-Kyo et al., 2021)。 また、高度な認知機能を有し、認知症研究の新たなモデル動物として期待されている中型齧歯類デグーに着目し、デグーの脳で発現するニューロリギン、ニューレキシンおよびタウタンパク質のアミノ酸配列を明らかにし、報告した。
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