Cyr61はβ1インテグリンに結合することで疼痛を誘発する。本研究では,インテグリンβ1小分子拮抗薬の開発を目指した。Cry61-インテグリンβ1結合モデルを利用したin silicoスクリーニングにより候補化合物を10化合物選出し,in vitro阻害活性により1つの化合物(F)が得られた。しかしながら化合物Fは強い鎮痛効果を示さなかった。そこで既存のペプチド性拮抗薬と化合物Fとのキメラ化合物をデザインし,阻害活性の強い化合物Kの獲得に成功した。化合物Kは化合物Fを上回る鎮痛作用を示した。今後,さらに強力な鎮痛作用を持つ化合物の獲得を目指し,化合物Kの誘導体化合物の合成に取り組む予定である。
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