生体内カルシウムイメージングによる片頭痛発症機序の解明 ナトリウムポンプα2サブユニット欠損マウス(片頭痛モデルマウス)とG-CaMP7マウスを掛け合わせ、ニューロンとアストロサイトでG-CaMP7を発現するナトリウムポンプα2サブユニット欠損マウスを作出した。そのマウスを用い2光子顕微鏡下で大脳皮質の生体内カルシウムイメージングを行い、細胞活動を調べた。 特にCSD誘起(麻酔下、KCl滴下)時のアストロサイトの活動に注目し、単一アストロサイト内の部位特的活動を調べた。アストロサイトは標識色素 (Sulphorodamine 101)を用いて同定した。 CSD発生時にアストロサイトから血管へ炎症性物質の放出が痛みを引き起こす可能性が示唆されている。そこで片頭痛モデルであるナトリウムポンプα2サブユニット欠損マウスにおいて血管周囲のアストロサイトの活動が野生型マウスに比べ活性化しているかを調べた。血管周囲のアストロサイトに任意の注目画像領域(ROI)を設定し蛍光強度の時系列変化を定量・取得した。取得したデータに対して、任意の閾値(活動、非活動を決める)を検討・設定し、活動時間、回数を調べた。活動時間、回数にノックアウトマウスと野生型マウス間で有意な差はなかった。さらに昨年度までに解析したランダムにROIを設定したデータ(血管周囲に限定しない)と比較して活動時間、回数に有意な差はなかった。従って、CSD誘起時のアストロサイトの活動に血管の距離は無関係であった。
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