研究課題/領域番号 |
18K07375
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
原 央子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40528452)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 細胞内凝集体 / 神経変性 / レトロマー |
研究実績の概要 |
パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患の多くには、神経細胞の内外に異常な凝集体(Abeta、レビー小体、TDP-43/FUS封入体)が観察されるが、その意義と毒性には未解明な部分が大きい。難治性神経変性疾患の治療薬が切望されているおmのの、分子標的治療法開発や創薬シーズ探索を難しくしている理由の1つは、薬剤効果の明確な指標がないことである。 そこで、神経変性程度の指標となる現象を可視化できれば治療法開発への効果的なツールになると考えた。本研究課題では、細胞内輸送を担うレトロマーと細胞内凝集体形成の相関を調べ、独自で開発中のインディケータを用いてα-シヌクレインやTDP-43の細胞内凝集を検出したうえでレトロマー動態と神経変性の相関を調査し、凝集体形成阻止を目指している。 レトロマーは、エンドソームからゴルジ体への積荷タンパク質の逆行輸送を担うVPSタンパクの複合であり、レトロマー昨日不全がパーキンソン病においてドパミンニューロン死及びα-シヌクレインの蓄積のきっかけになるイベントである可能性が指摘されている。そこで、本研究を「凝集体形成を指標としたエンドソーム・レトロマー動態多次元解析による神経病態研究」と位置づけ、これまでに、パーキンソン病患者由来のiPS細胞から分化させた神経細胞においてレトロマーの大きさと動きが変化していることを見出した。本年度は、そのレトロマー動態について、統計解析を用いた確実な動態変化判断のための準備、顕微鏡により観察されるレトロマーからの輝度を取得するための高効率な手法を検討した。 7月までの研究機関に観察の試行と解析準備を行い、8月以降は育児休暇のため研究を一時中断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
育児休職中のため
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今後の研究の推進方策 |
1年間の育児休職から復職後、採択時に計画した要領で推進していく。 特に、凝集体について休職中の1年間で脳神経科学領域では新たな知見が報告されることが予想される。休職中に論文検索等で情報収集をしておき、復職後には新しい知見等を考慮して速やかに本研究課題を推進できるようにする。復職後に本研究計画の変更等の必要がある場合は速やかに報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
8月以降に育児休暇を取得し、本研究課題も一時中断させていただいているため
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