研究実績の概要 |
研究代表者らが主導する国際共同研究プロジェクトInternational Brain pH Project Consortiumにて、統合失調症や双極性障害、うつ病、自閉症スペクトラム、てんかん、アルツハイマー病などの神経・精神疾患の病態モデルを含むさまざまな系統/種類のマウスやラット等において、脳のpHと、pHの変化に関わっていると想定される乳酸濃度についてのデータの蓄積を行ってきた。本研究プロジェクトを引き続き拡大させ、今年度までに、世界6カ国・91の研究室・121名の研究者との共同研究として計109系統/種類の遺伝子改変マウスや各種実験操作を施した神経精神疾患モデル動物の脳のpHおよび乳酸の解析を行った。脳のpHは乳酸濃度と非常に高い負の相関を示すなど、前年度公表したプレプリント(Hagihara et al., bioRxiv 2021; https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.02.02.428362v2)の結果を補強するデータを得た。さらに、乳酸濃度の増加を示すモデルマウスの脳において、タンパク質乳酸化が増加していることを報告した(Hagihara et al., Cell Reports, 2021;https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211124721012845)。
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