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2019 年度 実施状況報告書

ラモトリギンによる痛みー恐怖記憶の消去促進効果に対する神経幹細胞の関与

研究課題

研究課題/領域番号 18K07390
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

小山 なつ  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50135464)

研究分担者 中西 美保  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40382048)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードラモトリギン / 気分安定薬 / オープンフィールドテスト / 恐怖条件付けテスト
研究実績の概要

平成30年度には、気分安定効果のある新規抗てんかん薬であるラモトリギン投与したマウスにおいて、ニューロスフェア法で神経幹細胞の自己複製能の亢進を確認したので、平成元年度には情動や記憶と関連する4種類の行動実験を行った。実験にはC57BL6系雄マウスを使い、ラモトリギン群と生理食塩水を投与した対照群における行動を解析した。
1. オープンフィールドテストにおいて、新奇環境下での自発活動性や不安行動を解析した。比較的明るい(70 lux)、正方形のチャンバー(40×40cm)にマウスを入れて、自由に探索させ、10分間の行動をビデオトラッキングで解析した。ラモトリギン群では、不安の程度の指標となる中央区画での滞在時間の差は認められなかった。総行動距離には差がみられなかったが、立ち上がり行動が延長していて、探索行動の亢進傾向であった。
2. 統合失調症などの精神疾患の生物学的指標とされるprepulse inhibition testでは、ラモトリギン群と対照群で差が認められなかった。
3.社会船を調べるソーシャルインターラクションテストでも、ラモトリギン群と対照群で差が認められなかった。
4. 恐怖条件付けテストにおいて、情動記憶を解析した。マウスに場所(文脈)や音(手がかり)による条件刺激と、電気ショック(無条件刺激)を組み合わせて与えて、恐怖条件づけする。条件付け記憶はフリージングを指標として、翌日(近接記憶)および、4週間後(遠隔記憶)に、文脈テストと手がかりテストで評価した。情動記憶の程度はすべて、ラモトリギン群と対照群で差が認められなかったが、ラモトリギン群において、連合学習時のフリーリングレベルの亢進がみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定通りの行動実験を行った。オープンフィールドテストと恐怖条件テストの一部に、ラモトリギン群と対照群の間に差が認められたが、解釈が難解な結果であったため、プロトコールなどについても見直しが必要となった。

今後の研究の推進方策

現行のプロトコールの見直しを行い、今年度行った行動実験も引き続き行う。さらに恐怖条件付け実験に関しては、記憶の消去学習の効果を解析し、痛みと関連する恐怖記憶や、BrdUの陽性細胞の発現領域との関連を、解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

令和元年度は主に、行動実験を行った。令和2年には、引き続き行動実験だけでなく、組織化学的実験などを行うため、試薬や消耗品などの物品費を令和2年に使う必要が生じた。また、令和2年には国際学会の参加を計画していたため、令和元年の旅費も令和2年に回すことを予定していた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Early maternal and social deprivation expands neural stem cell population size and reduces hippocampus/amygdala-dependent fear memory2020

    • 著者名/発表者名
      Daun KA, Fuchigami T, Koyama N, Maruta N, Ikenaka K, Hitoshi S
    • 雑誌名

      Front Neurosci

      巻: 14 ページ: 22

    • DOI

      10.3389/fnins.2020.00022

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 脊髄の上行性伝導路と局所回路2019

    • 著者名/発表者名
      小山なつ
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 37 ページ: 650-652

  • [雑誌論文] 痛みの基礎知識2019

    • 著者名/発表者名
      小山なつ
    • 雑誌名

      臨床化学

      巻: 48 ページ: 197-202

    • 査読あり
  • [学会発表] MOOD STABILIZING DRUGS ACTIVATE ADULT NEURAL STEM CELLS-NEUROGENESIS SYSTEM2019

    • 著者名/発表者名
      Keita Nakaji, Natsu Koyama, Takahiro Fuchigami, Seiji Hitoshi
    • 学会等名
      The International Society for Neurochemistry (ISN)
    • 国際学会
  • [学会発表] 基礎からみた感覚障害2019

    • 著者名/発表者名
      小山なつ
    • 学会等名
      第24回日本口腔顔面痛学会学術集会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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