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2020 年度 実績報告書

ラモトリギンによる痛みー恐怖記憶の消去促進効果に対する神経幹細胞の関与

研究課題

研究課題/領域番号 18K07390
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

小山 なつ  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50135464)

研究分担者 中西 美保  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40382048)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードラモトリギン / 気分安定薬 / 神経新生 / BrdU
研究実績の概要

平成30年度には、新規抗てんかん薬のうち、気分安定効果のあるラモトリギンのみが、神経幹細胞の自己複製能が亢進することをIn vitroでの研究法(ニューロスフェア法)で確認したので、令和2年度にはIn vitroでの解析を行った。成体マウスの脳においては側脳室の外側壁に面した脳室下帯(subventricular zone;SVZ)、および海馬歯状回顆粒細胞下層(subgranular zone of DG:SGZ)に神経幹細胞が局在することが知られている。又5-bromo-2’-deoxyuridine (BrdU)はチミジンアナログであり、細胞周期のS期に細胞内に取り込まれることから、神経新生のマーカーとして使用されているので、SVZやSGZを含む脳領域で免疫組織化学的手法により、BrdUの陽性細胞を解析した。
ラモトリギン(10 mg/kg)をC57BL/6系雄マウスに1、4、8、12週間連日腹腔内投与し、PBSを投与したマウスを対照群とした。16週齢あるいは20週齢時にBrdU(Sigma; 50 mg/kg)を腹腔内投与し、3時間後に灌流固定した。ラモトリギンを8週間投与したマウスにおいて、SEZおよびSGZにおいて陽性細胞が増加傾向であったが、有意差は認められなかった。12週間投与のラモトリギン群でSEZおよびSGZ共に、BrdU陽性細胞の有意な増加が認められた。SEZにはゆっくりとした分裂により自己複製する神経幹細胞(Type B cell)だけではなく、増殖の速い一過性増殖細胞(Type C cell)や新生ニューロン(Type A cell)も局在する。今回行ったBrduのshort-termの解析では神経回路で機能するニューロンの新生亢進は解析できないが、ラモトリギンは新生ニューロンを産み出すニューロンプールの大きさを増大させることが確認された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 条件付け恐怖の消去学習とWEBによる痛み関連学習に関する話題2021

    • 著者名/発表者名
      小山なつ
    • 学会等名
      生理学研究所痛み研究会. 2020
    • 招待講演
  • [学会発表] Effects of voluntary wheel running on conditioned fear learning and extinction learning2020

    • 著者名/発表者名
      Kitagawa H, Nakaji K, Daun K、Kuroda A, Koyama N, Hitoshi S
    • 学会等名
      第97回 日本生理学会大会
  • [学会発表] 行性疼痛抑制を再考する2020

    • 著者名/発表者名
      小山なつ
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会第54回学術集会
    • 招待講演
  • [図書] 疼痛医学2020

    • 著者名/発表者名
      小山なつ(分担執筆)
    • 総ページ数
      382
    • 出版者
      医学書院
    • ISBN
      9784260040839
  • [図書] 痛みのバイオマーカーとしての機能的脳画像診断法2020

    • 著者名/発表者名
      小山なつ(分担執筆)
    • 総ページ数
      374
    • 出版者
      真興交易
    • ISBN
      9784880039299

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公開日: 2021-12-27  

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