筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は進行性の全身性の筋力低下をきたし、嚥下障害や呼吸不全により発症後数年で死に至る過酷な神経難病である。現在有効な治療法はない。どのような分子機構により選択的な脆弱性が運動ニューロンに賦与されるのかは不明でありそれを明らかにすることは新たな治療戦略を与える。一方、中枢神経系を構成する個々の神経細胞の個性が将来にわたり維持される分子機構についても多くの場合明らかではない。本研究ではALSにおいて選択的に障害を受ける運動ニューロンの個性維持の破綻がALS脆弱性賦与に結びついている可能性を示唆する研究成果を得た。
|