研究課題/領域番号 |
18K07396
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
冨永 光俊 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 先任准教授 (50468592)
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研究分担者 |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
鎌田 弥生 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00410035)
本田 耕太郎 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (70803625)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アロネーシス / 脊髄 / GRPR / コレシストキニン |
研究実績の概要 |
本年度はmultiple in situ hybridization法により、C57BL/6Jマウスの脊髄後角CCK2R発現細胞の特性化を行った。脊髄後角に発現するcholecystokinin receptor (CCKR)は、主にCCK2Rであり、CCK1Rの発現レベルは非常に低く、かつCCK2R発現細胞はCCK1Rを発現していなかった。またCCK2R発現細胞はNeuN(ニューロンマーカー)に陽性、gastrin-releasing peptide (GRP)、GRP receptor (GRPR)、Neuropeptide Y (NPY)、NK1 receptor (NK1R)に陰性の脊髄ニューロンであることが明らかとなった。 次に、GRPR及びNK1R発現ニューロンは、脊髄におけるかゆみの情報伝達に関与することから、bombesin-saporin及びsubstance P-saporinを髄腔内投与することで、脊髄後角GRPR+及びNK1R+ ニューロンを消失させたC57BL/6Jマウスを作製し、これらマウスにおけるCCK-8S誘発性アロネーシスの出現頻度について検討した。その結果、bombesin-saporin及びSP-saporinマウスにおいてCCK-8S誘発性アロネーシスの出現頻度は低下した。既に、我々はCCK-saporinマウスにおいてCCK-8Sによるアロネーシスの出現頻度が低下することを見出している。以上より、アロネーシスの発現においてCCK2R発現ニューロンはGRPR及びNK1R発現ニューロンの上流に位置しており、CCK2R発現ニューロンからのアロネーシス情報はGRPR及びNK1R発現ニューロンを介することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、in situ hybridization法及びサポリン毒素を用いたターゲットトキシン法により、脊髄におけるCCK2R発現細胞を特性化し、CCK-8S誘発性アロネーシスの神経回路の一端を明らかにした。このことから、本年度は「おおむね順調に研究が進展した」と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、in situ hybridization法や免疫組織化学法により、DRG及び脊髄におけるCCK8S及びCCK2R発現細胞の特性化を進めるとともに、CCK2受容体ノックアウトマウスを用いた研究を展開することで、CCK/CCK2Rシステムがアロネーシスの発症に関与する分子基盤であることを明確にする。
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