研究課題/領域番号 |
18K07396
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
冨永 光俊 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 先任准教授 (50468592)
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研究分担者 |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
鎌田 弥生 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00410035)
本田 耕太郎 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (70803625)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アロネーシス / CCK2受容体 / ドライスキン / ノックアウト / von Frey フィラメント |
研究実績の概要 |
本年度はCCK1R及びCCK2Rノックアウトマウスを固体化し、現在実験に使用できるように交配・ジェノタイピング等を実施しながら、CCK8S誘発性アロネーシスの有無について解析中である。さらに本年度はR2年度に実施する予定であった研究計画「アロネーシスに対するCCK2Rブロッカーの有効性の検討」をアセトン/エーテル/水 (AEW) 処理ドライスキンモデルマウスを用いて評価した。 C57BL/6JマウスにAEW反復塗布を1日2回、計7日間実施した。AEW処理により皮膚乾燥が生じているか否かを確認するために、経表皮水分蒸散量及び角層水分量を測定した。その結果、コントロールとして設けた水処理のみ(W処理群)と比較して、AEW処理群では経表皮水分蒸散量の増加と角層水分量の低下が認められた。このことから、AEW処理によってドライスキンが誘発されていることが示された。またドライスキン誘発性アロネーシスの有無を確認するために、AEW処理マウスに対してアロネーシスアッセイ(von Freyフィラメントによる機械刺激を与え、その直後に掻破するか否かを解析する方法)を行った。W処理群と比較して、AEW処理群ではアロネーシススコアが有意に高かったことから、先行研究と同様にAEW反復塗布によるドライスキンはアロネーシスを誘発することが示された。次に、AEWマウスにCCK2R拮抗薬(L-365,260等)を経口投与し、ドライスキン誘発性アロネーシスに対するCCK2R拮抗薬の有効性について検討した。CCK2R拮抗薬の経口投与は、自発運動量に影響せずに、ドライスキン誘発性アロネーシスを有意に抑制した。これらのことから、CCK2Rはドライスキンによるアロネーシスの誘発に部分的に関与していることが示唆された。以上より、CCK2R拮抗薬は少なくともドライスキンによって誘発されるアロネーシス(痒覚過敏)の治療に有効であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、CCK1R及びCCK2Rノックアウトマウスの固体化に成功したこと、CCK2Rを標的とするドライスキン誘発性アロネーシスの治療法開発に繋がる成果が得られたことから、「おおむね順調に研究が進展した」と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、CCK2受容体ノックアウトマウスを用いた研究を展開することで、アロネーシスの発症におけるCCK/CCK2Rシステムの寄与度を明らかにしていく予定である。
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