研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー型認知症(AD)の各診断基準を満たした神経変性疾患患者と年齢を適合させた健常者 (n=10) に対し、同意を得た上で採血を行った。ALSでは初回と4ヶ月おきの1年間 (計4回)、PDとADでは初回と6ヶ月、1年後 (計3回) に採血 (15 ml) を行なった。採取した血液は同日中にRNA用と血球分離用に分け処理 (単核球分離用採血管を用いて単核球を分離) し、-80 ℃で保存している。採血に平行して各疾患の臨床評価スケール (ALSFRS-R, 肺機能検査, Hoehn-Yahr分類, MDS-UPDRS, MMSE, ADAS-Jcogなど) を用い、スコア化して評価した。 NAIP蛋白質量の定量に関しては単核球分離用採血管を用いて単核球を分離した。全細胞抽出試薬を用いて蛋白質を抽出し、一定蛋白質濃度に調製したサンプルをPVDF膜にブロットし、抗NAIP抗血清によるドットブロット・蛍光強度測定法でNAIP蛋白質量を定量した(NAIPリコンビナント蛋白質を標準品とする)。また、RNA定量と蛋白質定量の2つのバリデーション法の同等性が確認された場合は、qPCR法のみで評価する予定である。NAIP量がALS患者群と健常者群で有意な差が見られたため、ALS患者群と疾患対照群(PDなど)とで差が見られるかどうかを現在検討している。
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