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2018 年度 実施状況報告書

スフィンゴシン1リン酸とその受容体に着目した末梢血幹細胞動員の総合的理解

研究課題

研究課題/領域番号 18K07407
研究機関群馬大学

研究代表者

横濱 章彦  群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323365)

研究分担者 関上 智美  群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (00727753)
塚本 憲史  群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (10292583)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードスフィンゴシン1リン酸 / S1P1 / 末梢血幹細胞採取
研究実績の概要

末梢血幹細胞採取時の血漿中のスフィンゴシン1リン酸(S1P)と10症例の末梢血幹細胞数の検討をおこなった。採取前血漿中S1P濃度と末梢血中の幹細胞数や採取した幹細胞数は直線状の有意な正の相関を示した(それぞれr = 0.70, p = 0.0251、 r = 0.71, p = 0.0217)。これまで研究では血漿中S1P濃度と末梢血中の幹細胞数はベル型の関係(S1Pの濃度が増えれば末梢血中幹細胞数増加するものの、一定の濃度以上では幹細胞数むしろ減少する)を示すことが報告されてきたが、少なくとも一般臨床の上ではいままでの説とは異なる可能性が示された。また、いわゆる末梢血幹細胞採取時の採取効率は4割前後で大きなばらつきがあるが、我々の今までの研究では採取効率に最も影響を与える因子は末梢血中の幹細胞数の採取前後の比率であることがわかっている。採取効率向上のため幹細胞採取前後の幹細胞数比と採取前後のS1P濃度を測定したところ、正の相関( r = 0.5758)が得られたものの症例数が少ないためか統計学的に有意ではなかった。
一方、幹細胞側のS1Pレセプターの検討では、当初S1P1の有意な発現が予想していたが、mRNAの定量ではS1P1の発現は予想外に低くなっている。今後は蛋白の定量も検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

症例数が予想より少なく、検体の採取が少ない。また、当初S1Pレセプターの発現はフローサイトメトリーにより解析することを考えていたが、購入した抗体はあまり感度、特異度とも良くなく解析には向かなかった。そのため末梢血細胞をFCMを用いてソートしmRNAから定量PCRでS1Pレセプターの解析をしなければならない状況。また、大学院生の入れ替わりなどもあり、技術を教えるのに手間取っている。

今後の研究の推進方策

少ない症例を効率的にこの臨床試験に参加していただくため、外来の仕組みを工夫し採血漏れをなくす工夫をした。また、ソーターを用いた細胞分離は、凍結前の“まな”の細胞を使うことにより、細胞回収率は改善した。今後、再度良い抗体を検索しS1Pレセプターのタンパクでの検出を再度試みる。また、マウスを用いて各種分子標的治療薬の幹細胞採取への影響を調べる準備を行う。

次年度使用額が生じた理由

当該年度はすでに必要物品を購入済みであり、研究を進めていた。また、残高が中途半端であり不適当な物を購入するよりは、次年度に繰り越して必要物品を購入するつもりだった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 末梢血幹細胞採取効率に関与する因子とSphingosine-1-phosphateの役割2019

    • 著者名/発表者名
      粟田 真彩,,橋本奈央, 金井 敬海, 村田 圭祐, 後藤 七海, 笠松 哲光, 齋藤 貴之, 半田 寛, 村上 博和1, 塚本 憲史, 横濱 章彦
    • 学会等名
      日本血液学会
  • [学会発表] プレリキサフォルで動員された末梢血幹細胞の特徴2018

    • 著者名/発表者名
      金井 敬海, 横濱 章彦, 笠松 哲光, 粟田 真彩, 村田 圭祐, 齋藤 貴之, 半田 寛, 入内島 裕乃, 関上 智美, 村上 博和
    • 学会等名
      日本血液学会

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公開日: 2019-12-27  

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