研究課題
原発性胆汁性胆管炎(PBC)患者20例の末梢血液を収集した。収集された末梢血液から血清を分離して溶血のないことを確認して遠心による前処理を行った後、エクソソーム溶液をmiRNeasy Mini Kit (QIAGEN社)を使用して、small RNAを含むtotal RNAとして抽出した。このRNAが、小分子のRNA領域に高いピークが認められ、高分子領域のリポソームRNAにピークバンドが検出できなかったため、エクソソーム由来のRNAとして確認できた。エクソソーム由来のmiRNAを回収し、これをアレイ用のサンプルとした。アレイ(東レ、2555分子のmiRNAを搭載)に、標識(Ambion社、mirVanaTM miRNA labeling kit)したサンプルをオリゴチップ(東レ、Human miRNA Oligo chip-4 plex ver.21)にハイブリダイゼーションした後、アレイ用スキャナーでスキャニングを行った。その後各スポットにおける蛍光強度値の定量化を行い、シグナル値を算出し、エクソソーム内のmiRNAを同定した。発現プロファイルの解析は、計算解析サーバを使用し、従来の統計学的方法のみならずマイクロアレイに適した統計的手法SAM (Significant Analysis of Microarray)、RDAM (Rank Difference Analysis of Microarray)などを用いた。そして、PBCの治療抵抗群と治療良好群において、2555分子のエクソソーム内のmiRNAの解析により、それぞれ独立したクラスターを形成するかどうかを現在確認中である。
2: おおむね順調に進展している
PBCの治療抵抗群と治療良好群において、2555分子のエクソソーム内のmiRNAの解析により、それぞれ独立したクラスターを形成するかどうかを現在確認中である。この確認が可能であれば概ね順調に進展していると評価できる。
研究実施計画に基づいて、今後PBCの治療抵抗群と治療良好群において、2555分子のエクソソーム内のmiRNAの解析により、それぞれ独立したクラスターを形成するかどうかを確認し、差異のみられたmiRNAを同定し、どのようにどの程度発現しているか、リアルタイムPCR法により定量を行い、個別に検証していく予定である。
当初の予定症例数よりも少ない解析になったため、次年度使用額が生じたものと考えられる。次年度以降に症例数を重ねて検討を行う計画としている。
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Hepatology.
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10.1002/hep.30552