研究課題/領域番号 |
18K07420
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
西尾 健治 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60254489)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ADAMTS13 / VWF / 血小板 / 癌 / LLC細胞 |
研究実績の概要 |
目的:ADAMTS13/VWF分子が癌の進展や転移へどのように関わっているか明らかにしたい。そして、ADAMTS13/VWFが転移などに関与しているものであるならば、転移の開始である原発巣からの癌細胞の分離に影響しているのか,また他の場所に癌細胞が接着する過程に影響しているのか?などを明らかにしていきたい. ①癌細胞の血管内皮細胞への接着に関しては、血管内皮細胞から定期的に分泌されるUL-VWFが関与しているのではないかと推察している。そこで血管内皮細胞をフローチェンバー内に培養固着させ、Ca ionophoreで血管内皮細胞を刺激することによりUL-VWFを分泌させ,そこへ,Lewis Lung Carcinoma(LLC)細胞を流動下で反応させたが,特に粘着は認められなかった.次に洗浄血小板をUL-VWFに流動下で反応させ,血小板をUL-VWFに粘着させてから,LLC細胞を流動下に反応させたところ,LLC細胞のUL-VWFへのrollingが認められた.VWFは癌細胞の粘着にも関与していることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血管内皮細胞から定期的に分泌されるUL-VWFに洗浄血小板を粘着させると,LLC細胞のUL-VWFへのrollingが認められた意義は大きく,VWFの癌転移への影響があきらかとなったため,今後はADAMTS13ノックアウトマウスやVWFノックアウトマウス,ワイルドタイプマウスにLLC細胞を尾静脈から輸注して,肺への転移の差異を観察する予定であったが,ADAMTS13ノックアウトマウスがgenotypingによりワイルドタイプとなっていたことが判明し,現在再購入し,マウスを増やしていってるところである.
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今後の研究の推進方策 |
①血管内皮細胞から定期的に分泌されるUL-VWFに洗浄血小板を粘着させると,LLC細胞のUL-VWFへのrollingが認められた意義は大きいが,今後は抗血小板抗体や抗VWF抗体を用いて癌細胞のrollingへの影響を観察することにより,そのメカニズムを明らかにしたい.②LCC細胞を尾静脈から輸注し,ノックアウトマウス間の差異を観察して,癌細胞が血流内を循環して,転移するために必要な癌細胞の接着への各種分子(VWF/ADAMTS13)の影響を観察する.③さらに,今後はLLC細胞の皮下腫瘤をつくり,それを各種マウスの肺表面に移植して血液中の癌細胞の数の差異を観察することにより,血行転移の開始への各種分子の影響ついての関与も観察していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に学会・研究会参加で使用予定であったが,コロナウィルスの蔓延により,学会・研究会が中止となったこと,またノックアウトマウスがジェノタイピングでワイルドタイプとなっていたため,ノックアウトマウスを再購入し,現在飼育中であり,実験が進んでいれば使用予定だった癌細胞培養液などの消耗品なども購入しなかったため,次年度使用とさせていただいた.今年度には消耗品などで学会参加し・消耗品購入などで使用予定である.
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